「念仏踊り」から「盆踊り」へ -「盆踊りin 佛光寺」初開催-

盛夏の風物詩、盆踊り。住職の幼少期には各町内ごとに狭い道路にやぐらを立てて、細長く踊っ ていたそうですが、最近では全く見かけなくなりました。一方、近年、若者や外国人など の「盆踊らー」が増えてきているそうで、一夏に、十数か所もの盆踊り大会をはしごするツワモノもいるんだとか。時代は繰りかえるのでしょうか。

さて、「盆踊り」は、文字通りお盆の時期に開催するから、なんとなく仏教にも関係しているのかな 、と感じておられる方は多いと思いますが、改めて、「盆踊り」の意味、由来をついて調べてみました。

その歴史は約千年。末法思想が広がる平安末期の僧侶・空也は、浄土信仰・阿弥陀信仰を庶民に広めるにあたり、踊りながら「南無阿弥陀仏」という念仏を唱える「踊念仏」を始めました。やがて、この「踊念仏」は民間風習とあわさって「念仏踊り」となり、また、「盂蘭盆会」とも結びついて、精霊を迎え死者を供養する行事として定着していったようです。

鎌倉時代には、時宗開祖・一遍上人によって「踊念仏」が大成され、全国に広がりますが、徐々に宗教性は薄まり、江戸時代になると、独自の民族芸能、娯楽として庶民に浸透していたようです。日本三大盆踊りの「阿波踊り(徳島県徳島市)」や「郡上踊り(岐阜県郡上八幡)」「西馬音内の盆踊り(秋田県羽後町)」は、いずれも江戸時代に確立したと言われています。

ところで、空也は「阿弥陀聖」とも呼ばれ、一遍上人だけでなく、後の鎌倉仏教にも大きな影響を与えました。「南無阿弥陀仏」と念仏を唱える浄土宗開祖・法然上人や浄土真宗開祖・親鸞聖人もまたその一人です。

ということで、大変ご縁の深い浄土真宗の本山佛光寺の境内、それも「阿弥陀堂」の前で、「盆踊り in 佛光寺」が、D&DEPARTMENT京都 by 京都造形芸術大学さんと共同で初開催されます。私も微力ながらお手伝いさせていただいています。大切な人達と共に楽しく踊りあかすもによし、阿弥陀様の前でご先祖様に思いを馳せる もよし。どなたでも気軽にご参加いただけますので、ご友人やご家族揃ってぜひお越しください。

<概要>

盆踊り in 佛光寺 2017
会 場 本山佛光寺境内(阿弥陀堂前)
踊 り 炭坑節、江州音頭、恋するフォーチュンクッキー、豊園カチャーシー他
参加費 無料
主 催 盆踊り in 佛光寺大会実行委員会
後 援 本山佛光寺 D&DEPARTMENT
協 力 豊園自治連合会
問合せ 大善院(tel 075-351-4883)

小雨決行
※荒天の場合は中止しますので、下記ホームページをご確認ください。
https://www.facebook.com/events/670147569850950

 

Photo by (c)Tomo.Yun