和ろうそくが照らす ありのままの私

京都にあと数件。ショッキングなこの数字は法要に欠かせない和ろうそく屋さんの数。

和ろうそくとは、ハゼの実や米ヌカから作った蝋をバームクーヘンのように一層ずつ塗り重ねて作る伝統工芸品。江戸時代には、街のあちこちにろうそく屋さんがあったようですが、安価な洋ろうそくが出回り、数えるほどになってしまいました。

いつも購入するのは、河原町松原にある小島商店さんで、創業は200年以上前。和ろうそくはあまり保存がきかないので、 … 続きを読む

ヒガンバナは花を咲かせる必要のないクローン植物

春から細々と続けている週末の鴨川ランニング。お彼岸の土手で、彼岸花を見つけました。

お彼岸が近づくと、墓地や土手に突如現れる真っ赤な花。けばけばしくて妖艶な姿は、日本の風景に似つかわしくない気がしますが、実は、室町時代から、日本人の生活に切っても切り離せない花だったようです。 … 続きを読む

僧侶になった日

私が僧籍を得たのは、小学生の時、一泊二日の本山での研修。手続き的には「得度」を受ければ比較的簡単に僧籍を得ることはできますが、一人前の社会的な存在としての僧侶になることとは違います。僧侶(宗教人)として社会とどう関わるべきか。人格的にも能力的にも不十分な私が僧侶などできるもののか。母を亡くし、寺を継ぐ覚悟で京都に帰ってきたとはいうものの、それから12年間、いつも頭の片隅にはこんなもやもやした迷いがありました。

2か月ほど前でしょうか。あるご門徒さんから、ご先祖の一周忌法要のご依頼をいただきました。 … 続きを読む

美しい花たちが教えてくれること

先日、仕事を通じてお知り合いになったフラワースタイリストさんから、素敵な花束をいただきましたので、玄関に飾ってみました。秋明菊など和花が上手く混ぜてあるので、お寺の玄関にも違和感なし。それどころか、長性院史上、最高にオシャレで、玄関が輝いて見えます。

ところで、菊は、仏花としてもよく利用されるお花です。お墓参りでお供えに用いることから、寂しい暗いイメージを持っておられる方も多いかもしれませんが、慶事にも用いる万能のお花です。 … 続きを読む