日本人のための日本語講座「にほんご茶論」

以前より少し告知しておりましたが、知っているようで知らない「にほんご」を通して、日本人の姿、そして、私たちの心を探る企画「向鶴文化連・にほんご茶論~言の葉で紡ぐ日本の心」の映像配信を不定期で始めます。ナビゲーターは、歴史コラムニストやコピーライターとしてもご活躍の澤村栄治さん。

初回に取り上げるのは省略語。

「こんにちは」「さようなら」「さらば」。私達が毎日使う挨拶言葉。頻繁に大勢が使うからこそ、短く簡略化してきたのでしょうが、そもそも、その由来と背後に隠された気持ちはどのようなものだったのでしょうか。

また、平安時代に書かれた『枕草子』にまで遡ると言われる省略語「ちやほや」。そこには、中宮定子と清少納言との悲しくも美しい物語があったのです。 … 続きを読む

六道まいり ~地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天~

毎年8月上旬に開催される「京都・五条坂の陶器まつり」は、400店を越える屋台が五条通沿いに立ち並び、連日大勢の来場者でにぎわう京都の夏の風物詩です。我が家から徒歩15分くらいの場所なので、日が傾いた夕方、ずいぶんと久しぶりに行ってみることにしました。

五条坂周辺は、言わずと知れた、清水焼発祥の地。その起源は定かではないようですが、安土桃山時代に入ると茶の湯の隆盛もあって陶器の生産が盛んになり、江戸時代には清水坂はもとより八坂や粟田口まで東山一体に多くの窯元が軒を連ねていたようです。

一方、五条坂の「陶器まつり」はというと、意外と歴史は浅く、大正9年に、五条坂近くにある「六道珍皇寺」の「六道まいり(8月7日~10日)」にあわせて開催されたのが由来だそうです。「六道まいり」とは、「精霊迎え」とも呼ばれ、お盆に精霊があの世からこの世に来るにあたり、6つの道に迷わないようお参りする行事のこと。 … 続きを読む

日本語を知り、「生き方」を考える

5世紀ごろに、日本に漢字が伝わり、日本語を文字に書き表すようになってから、千年以上が経ちます。それまで、「話し言葉」だった日本語に文字があてはめられ、「書き言葉」が発展することで、より広範囲に、そして、時間を越えて、日本語が広まりました。

6世紀には、大陸から仏教が伝来。日本社会に浸透するにつれ、多くの仏教用語が日本語にも取り入れられていったようです。その中には、現在も頻繁に用いられる言葉も少なくありませんが、「出世」「利益」「快楽」など、本来の意味から真逆ともいえるぐらい、意味が変わってしまったものもあります。 … 続きを読む

夜10時、祇園祭が地元のお祭りに変わる

7月、佛光寺や長性院のある下京は、祇園祭一色に染まります。今年は日程に恵まれたこともあり、土曜日の宵山には30万人以上が訪れたそうです。一方で、地下鉄で数駅ほど北に行った上京は、まるで何もなかったような静けさ。日本三大祭、そして世界無形文化遺産として抜群の知名度と観光集客力を有する一方、下京の住民に愛される地元のお祭りでもあります。

窓を開けていると、夜風に乗って佛光寺界隈まで、祇園囃子が聞こえてきて、思わず心が浮き立ってしまいます。ということで、夜遅くから、今年も宵山に繰り出すことにしました。

向かったのは、佛光寺からもほど近い「松原通り」。松原通りには山鉾もなく、道幅5~6メートルほどの狭い道は、ひっそりと静まり返っています。

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