持続可能な寺院を目指して―脱炭素への挑戦―

気候変動への対応が喫緊の課題となるなか、当院では公共性の高い寺院としての社会的責任を果たすため、再生可能エネルギーの導入と省エネルギー化に着手しました。一年以上の準備期間を経て、太陽光発電システムと蓄電池の設置、そして省エネ型エアコンの導入によるCO2排出量削減に取り組んでいます。

きっかけは、京都市から紹介を受けた「京都市脱炭素先行地域づくり事業補助金」でした。これは、国から脱炭素先行地域として採択された「京都の文化・暮らしの脱炭素化で地域力を向上させるゼロカーボン古都モデル」の一環として実施される補助事業です。宗教法人を対象とした補助金は非常に少ないのが現状ですが、この補助金はなんと補助率3分の2。庫裏は冬場の冷え込みが厳しく光熱費もかさむ上、エアコンの老朽化も進んでいたため、思い切って挑戦することにしました。

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お盆って何のためにあるの?

日本には古くから、ご先祖様を敬い、故人を偲ぶ「お盆(盂蘭盆会)」の習慣があります。お盆になると、ご先祖様があの世から家に戻ってくると考えられ、迎え火や送り火を焚いたりします。また、多くの仏教宗派では、「追善供養」の意味合いを持つ重要な行事とされています。追善供養とは、生きている者が故人のために善行を積むことで、故人があの世でより良い報いを受けられるよう願うものです。
 
しかし、浄土真宗では、お盆に対する考え方が他の宗派と少し異なります。 … 続きを読む

「一病息災」と”安易な”健康

先日、家族と夕食中、健康診断の話題から、「一病息災」の話となりました。四文字熟語「無病息災」は、ご存知とのとおり、「健康で元気なさまのこと」。神社やお寺でいただくお札やお守りの定番ですね。一方、「一病息災」とは、「ちょっとした持病があると、常に健康を気遣うので、かえって長生きできる」といった意味だそう。

医学が進歩して薬効の高い薬が普及し、比較的簡単に治る病気が増えました。風邪をひいたら風邪薬を飲み、頭痛がしたら頭痛薬を飲み、痛みや症状を消し去る。薬で簡単に苦痛から解放されるのは、率直に嬉しいことです。しかし、便利な薬に頼り、”安易な” 健康と引き換えに、自らの体や病気をぞんざいに扱っていないか、と感じることもあります。 … 続きを読む

こどもの日、仏の子

こどもの日。ありがたいことに、2人の娘もすくすくと育ち、下の子はリズムメロディ保育園を卒園しました。でも、言うことは聞かないし、口達者で口ごたえはするし、屁理屈もこねる。かわいく愛おしいのはもちろんですが、同時にストレスも募る毎日です。

国民の祝日に関する法律によると、こどもの日とは「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母親に感謝する日」だそうです。でも、この「こどもの人格を重んじ」というのがとても難しい。自分の子どもだから、ついつい怒ってしまう。思い通りにしようとしてしまう。相手が大人だったら、こんな風に言ったのか。ひと様の子どもだったら、こんな態度をとったのか。冷静になった後、反省することも少なくありません。

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和ろうそくが照らす ありのままの私

京都にあと数件。ショッキングなこの数字は法要に欠かせない和ろうそく屋さんの数。

和ろうそくとは、ハゼの実や米ヌカから作った蝋をバームクーヘンのように一層ずつ塗り重ねて作る伝統工芸品。江戸時代には、街のあちこちにろうそく屋さんがあったようですが、安価な洋ろうそくが出回り、数えるほどになってしまいました。

いつも購入するのは、河原町松原にある小島商店さんで、創業は200年以上前。和ろうそくはあまり保存がきかないので、 … 続きを読む