夏安居に参加してきました

少し時間が経ってしまいましたが、8月下旬(8/20~27)まで、本山佛光寺で開催された夏安居に参加しました。

夏安居(げあんご)
安居は一定期間、僧侶が外出せず専ら一室に籠って修行すること。インドでは、雨期は外出も不便であった為に、雨安居として、陰暦四月十五日より七月十五日の間修行した。こうした事が日本へ伝わり、夏安居として僧侶の勉学の為の講習会が開かれている。(佛光寺辞典より)

毎朝7時の晨朝参拝に始まって、夜9時の座談会まで、一日14時間びっしりとスケジュールで埋まっています。夏安居中は、本山佛光寺内の書院で共同生活。外出禁止、携帯電話持込禁止で、テレビも当然なく、世俗から隔離された中で、仏道に励むこととなります。

今年の参加者は25名で、定年後六十歳代の方から十代の学生まで、全国から僧籍を有する老若男女が集合。女性は8名で、前回参加時よりも、ずいぶんと女性が多いことに驚きました。

佛光寺派では、夏安居は3回の参加が義務づけられています。私は、1回目は十代、2回目は二十代に参加し、今回は約二十年ぶり。1回目の夏安居のことを「初夏(しょげ)」、2回目を「二夏(にげ)」、3回目を「三夏(さんげ)」と呼ぶことをもじって、1回目で「しょげて」、2回目で「逃げて」、3回目で「懺悔(ざんげ)する」、と言ったりしますが、私も同じく、寺に生まれたことを受け入れられなくて逃げ回って、不惑40代にしてようやく3回目。まさに「懺悔」ってとこでしょうか。

カリキュラムはこんな感じです。

本講「正信偈に聞く」
副講「釈尊のご生涯に学ぶ」
布教指導
声明法式
法規解説
人権学習
聖歌指導
参拝・聴聞
作務 など

日々の法要で使用している親鸞聖人作の「正信偈」の意味について学んだり、お釈迦様の生涯を通じて仏教の教義について学習しました。また、布教や声明、聖歌などの実技の指導もありました。ちなみに、滝行や回峰行、断食や座禅などといった修行はありません。

普段なれない共同生活とハードなスケジュールで心身ともにとても疲れましたが、日常から離れて、真宗、 そして自分自身と向き合う貴重な時間でした。また、参加者それぞれ立場は違えど、お寺と、自分の人生を抱えて、悩み、試行錯誤されているお話しを聞き、とても勇気づけられました。今回、気づかせていただいたことを、少しずつ形にしていきたいと思います。

最後に、夏安居参加者の皆さん、先生方や幹事さん、本山の職員さん、そして、参加する時間をくれた職場や家族、皆さんに感謝します。ありがとうございました。(副住職)