報恩講って何?-報恩講私記(御式文)-

10月15日(日)、あいにくの雨天のなか、今年も無事、長性院の報恩講を勤めさせていただきました。悩み苦しみの絶えない毎日を、なんとかこうして生きていられるのは、真宗の教えがあったからこそ。その教えを説いてくださった宗祖親鸞聖人への「恩」に「報」いるために行う講(法要)です。

今年は、読経の後、住職より「報恩講」についてお話しさせていただきました。報恩講は浄土真宗寺院において最も重要な法要の一つで、その原点は、佛光寺第三源海上人が1276年に記された『報恩講私記』に示されています。

『報恩講私記』では、三段にわたって、親鸞聖人のご遺徳を讃嘆されています。

第一段「真宗興行の徳」・・数々の教えを学び、厳しい修行に励んだ親鸞聖人が、法然上人から他力本願の教えを授かり、人々に説かれたこと。

第二段「本願相応の徳」・・親鸞聖人は、阿弥陀仏から賜った信心により、ひたすら念仏に専念されたこと。

第三段「滅後利益の徳」・・親鸞聖人の没後も、その教えはますます世に広まり、多くの人を救っていること。

古来、報恩講では、この『報恩講私記』を読み上げてきたそうで、その度に、親鸞聖人への感謝と報恩の想いを新たにしてきたのでしょう。いままで云わば形骸的に報恩講を勤めてきた自分が恥ずかしくなりました。

法要後の茶話会では、当院の1年間の取り組みについてご報告させていただきました。恒例のお抹茶を飲みながら、今年から当院や本山佛光寺での行事やイベントなども写真のスライドショーで見ていただきました。

今年も無事、大切な節目を終えられたことに感謝し、来年にむけて精進していきたいと思います。お越しくださいました門信徒や山内寺院の皆様、今まで当院を支えてくださった全ての皆様に深く感謝いたします。ありがとうございました。

(副住職)