3回目となる京都若手作家合同展2019″Sound of Gold”。あいにくの雨模様で少し不安でしたが、最終的には前回同様、200名もの方にお越しいただき、成功裡に終えることができました。お越しくださった皆様、直接的・間接的にサポートしたくださった皆様に、お礼申し上げます。
今回は、浄土真宗で用いる「和讃」というお経をヒントに、”Sound of Gold”というテーマを掲げて、5名の作家の作品を展示しました。
清風宝樹をふくときは
いつつの音声いだしつつ
宮商和して自然なり
清浄薫を礼すべし
(浄土和讃/親鸞聖人)
簡単に訳すと、
極楽浄土では、美しい樹々の間を清らかな風がそよぎ、五つの音を奏でている。
宮と商の音さえも、ありのままでよく調和する。
清らかににおう、仏さまにお祈りしましょう。
といったような意味でしょうか。
今回のGold展では、”Gold”という共通コンセプトのもと、カワイイものからシブいもの、抽象的なものから具象的なもの、日本画やタイ画など、分野も技術も作風も国さえも異なる5名の作品を一堂に展示しましたが、そのどれひとつ対立することなく、絶妙に調和して、まるで極楽浄土の美しい音楽を聞くかのように楽しんでいただけたら幸いです。
人生で一番の悩みは人間関係だとよく聞きます。
一人として同じ人間はいません。一人ひとりが異なる音色をもっていて、それぞれ精いっぱい自分の音色を奏でながら生きています。故に、誰かの音色が、雑音のように不快に感じることもあるでしょう。しかし、それらは、ある時は調和しながら、またある時はぶつかりあいながら、全体として一つの音楽となって流れていきます。
苛立つ必要も、焦る必要もありません。少し離れて見てみれば、長い長い一つの音楽のほんの一部。ゆっくりと次の楽章へと移り変わっていくのです。展覧会を終えて2週間。会場を飾った輝く作品を思い出しながら、そんなことを考えたりしています。
最後に、今回ご出展くださった服部さん、林さん、前田さん、宮本さん、タイ・バンコクから駆けつけてくれたNattanon Baiphowongseさん、ボランティアの後藤さん、日根さん、企画運営の前田さん、簑岡さん。そして、広報や運営などにご支援くださった大勢の皆さん、本当にありがとうございました。
また、次回4回目でお会いできますことを楽しみにしています。