10月5日(土)~6日(日)、和ろうそくで日本画を鑑賞する「菅かおる 光と海展(第1期)」が無事、終了しました。たった2日間にもかかわらず、250名もの方にご来場を頂き、事故もなく無事終えることができました。ありがとうございました。
一日中途切れることなくほぼ均等にお越しいただいたので、比較的ゆっくりとご覧いただけたようで、ほっとしています。薄暗いお仏壇の前で、ゆらゆらとゆらぐ和ろうそくに照らされた菅さんの作品をじっと見入る方も大勢おられました。なかには、何時間もおられる方も。
お仏壇に灯すろうそくは「智慧の光明」をあらわしていると言われます。「智慧の光明」とは、阿弥陀佛の「知恵」のこと。私達は、善悪や損得、優劣などの基準に基づいて、物事を判断し生きています。しかし、それはいくら考え抜いたところで、私達の狭い視野のなかでの独りよがりな判断でしかありません。よって間違いを重ね、悩み苦しみます。阿弥陀佛の「智慧の光明」は、そのような真実がわからない人間の無知で愚かな心を照らし、ありのままの私を明らかにする、と親鸞聖人は説いておられます。
お仏壇の左右に配置された菅さんの作品は、深海を現したようであり、宇宙の果てを描いたようでもあり、私達人間の心の中のようにも見えました。静寂と闇に包まれた世界のなかでも、個はしっかりと光を湛えていて、一筋の光が差し込むと一斉にきらきらと輝く・・・。
ひときわ大きな和蝋燭の炎がゆらゆらとゆらめくと、絵の中の金箔がまるで、命を得たかのように美しく輝き、私も時間を忘れて見入ってしまいました。
「光」と「海」という浄土真宗でも重要な概念をキーワードとして企画された今回の展覧会。お寺とアートの価値、荘厳の意味、新しい布教伝道のカタチ・・・、いろんな意味でとても勉強となりました。貴重な機会をくださった菅さん、はがさんに感謝申し上げるとともに、中村ローソクさん、京都府さん、ギャラリーパルクさんはじめ、サポートしてくださった皆様、そして何よりご来場くださった皆様に深くお礼申し上げます。