祇園祭・還幸祭

昨日、職場からの帰り道、四条烏丸の交差点で、中御座の御神輿に遭遇しました。オフィス街のど真ん中。バスや車は大渋滞、30分近く立ち往生。御神輿は威風堂々と交差点を占領しています。私には見慣れた風景ですが、遠くから来られた方からすれば、ちょっと不思議な光景なのかもしれません。

祇園祭のハイライトは、毎年数十万人が集まる宵山と山鉾巡行ですが、本来、山鉾巡行とは、御神輿が通る街中の穢れを払う「露払い」の行事で、巡行が終わった後に、神事「神輿渡御」が執り行われます。先の祭・山鉾巡行の17日午後と、後の祭・山鉾巡行の24日午後に、3基の大きな御神輿が夜中までかかって、中京・下京の街なかを練り歩きます。夕方には、佛光寺のすぐ横の高辻通りも御神輿が通ります。

というのも、佛光寺界隈は、16世紀まで八坂神社の「大政所御旅所」があったため、現在も、神輿渡御には外せない重要な地域となっています。豊臣秀吉の命によって、「御旅所」が現在地・四条寺町に移るまで「大政所御旅所」は大変賑わっていたとの記録が残っているそうです。佛光寺が現在の地に移ってきたのも、豊臣秀吉の懇請と伝えられていますから、もしかしたら、「大政所御旅所」境内と、本山仏光寺の境内は、一部重なっているかもしれません。

それ以外にも、佛光寺が位置する豊園学区には、現存する唯一の「豊園御真榊」(中御座の神輿を先導)や山鉾巡行の「しめ縄」づくりなども受け継がれており、千年を越える古い歴史に胸が熱くなります。

祇園祭が終わると、京の街に、本格的な夏がやってきます。