先週、本山佛光寺で「式務衆(しきむしゅう)」の講習会があり、はじめて参加させていただきました。
「式務衆」とは、本山の法要儀式に参仕する役の者のことで、「補導式務衆(ほどうしきむしゅう)」と「御堂式務衆(みどうしきむしゅう)」から成り、現在、全国の佛光寺派の末寺の僧侶たち、総勢百数名で構成されています。
・補導式務衆 十日毎に交代で当番となり、本山に出勤し日々の勤行に出仕。
・御堂式務衆 法要時に出仕するほか、常勤御堂式務衆は日常勤行にも出仕。
今回の講習会には、全国から約50名ほどの式務衆が集まり、①「本譜声明(ほんぷしょうみょう)」、②法式作法、③声明の発声法等について学びました。
佛光寺派には、天台宗魚山声明より伝来した「本譜声明(ほんぷしょうみょう)」と佛光寺派独自の「御家流声明(おいえりゅうしょうみょう)」があり、主に平常勤行では御家流声明、重要法要時には本譜声明が使用されています。
昨年、式務衆になったばかりで、本山佛光寺への出仕経験の少ない私は、今まで声明を聞く機会も、学ぶ機会も限られていたため、いずれも興味深いお話でした。千年も前に、京都・大原の魚山道場で大成された天台声明は、今もなお、本山佛光寺の法要で使われるだけでなく、日本の音楽のルーツとして、民謡や長唄、浪花節などの中に受け継がれています。講習を終えて、改めて、声明を学び、伝承する責任の重さを痛感しました。
夕刻からは、全国の式務衆で構成する組織「龍音会」の総会と懇親会がありました。70歳代の大先輩から、20歳代の前途有望な若者まで、全国の老若男女のお坊さん達から、寺院の実情について伺うことができて、とても貴重な経験となりました。
(副住職)