ちょうど1カ月前。クリスマスが終ってお正月準備に追われる年の瀬28日午前11時。二人目の娘がこの世に生を受けた。47.5cm、2978g。
長女の時とは違って、新型コロナのため、出産立ち合いどころか、退院まで面会できたのはたった1回、手術室から病室に戻ってきた数分だけ。保育ケースに入った我が子は、小さくて弱々しくて、そして限りなく愛おしかった。
簡単だと思っていたことが全然簡単じゃなくて、当然だと思っていたことが全然当然じゃなくて、途方もない悲しみに暮れたこともある。2018年10月1日。この日を忘れることはないだろう。
わびぬれば 今はた同じ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ
(元良親王)
悩みや不安、葛藤やストレスを抱えながら、がむしゃらに過ごした3年。
そして、やっと迎えたこの日。言い表せないほどの喜びとともに、子どもを授かるということが如何に難しくて、奇跡的なことか、身をもって気づかされた。
娘の誕生花として植えた「さざんか」の花言葉は「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」。三重・愛知まで探し回ったその一本は、寒い冬の朝でも、参道の脇で淡いピンク色の花を可憐に咲かせ、私たちを送り出し、また迎えてくれる。
当たり前なことなんて一つもないから、
先の見えないこれからの時代、
自分を見失わないように、
皆を導けるように、
しっかり根を張って、生きてほしい。
そんな願いをこめて。
生まれてきてくれてありがとう。